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診療実績
令和元年度診療実績
診療について
令和元年度の入院患者総数(再入院を含む)は242名(対前年比9.4%減)で、医療療養病床(1・3階病棟)に192名(79.3%)、介護療養病床(2階病棟)に50名(20.7%)が入院し、月別では13~24名で推移して平均は20.2名だった。紹介元は、急性期病院から137名(56.6%)、開業医の先生方から105名(43.4%)だった。
疾患別(主病名1)の内訳は、廃用症候群・運動器不安定症56名、脳血管疾患(脳梗塞後遺症、他)35名、整形外科疾患(圧迫骨折・脊損他)29名、心血管疾患(うっ血性心不全他)19名、悪性腫瘍17名(肺癌9名、他)、呼吸器疾患14名(肺炎8名、他)、神経筋疾患14名(ALS他)、皮膚疾患9名、認知症9名、消化器疾患5名、血液疾患5名、内分泌疾患4名(糖尿病4名)、摂食嚥下障害4名、腎臓疾患2名、精神疾患2名、泌尿器科疾患1名、熱中症1名、ショック後遺症1名と、例年通り多岐にわたった。
3階病棟では、人工呼吸器管理の患者(ALS・COPD他)の一定数を受け入れた。既に長期入院となっている患者と同一患者による反復するレスパイト入院があり、危機管理を目的に人工呼吸器管理委員会を毎月開催して管理の状況を監視した。
平均入院患者数は、介護医療院開設前(4~12月)の月別では109.6名~123.3名で推移して平均は115.5名(対前年度1.5%減)、介護医療院開設後(1~3月)の月別では110.9名~114.8名で推移して平均は112.4名(対前年度4.1%減)だった。120名を上回った月は8月(123.3名)と9月(121.9名)だったが、医療区分1の入院の増加によるものだったため、医療区分2・3の占める割合が80%を下回る月となった。医療療養病床の月別では、介護医療院開設前(4~12月)109床では61.2名~77.5名で推移して平均は69.8名、介護医療院開設後(1~3月)57床では46.3名~52.1名で推移し平均は48.8名だった。介護療養病床(4~12月)52床の月別では38.0名~48.4名で推移して平均は44.9名、平均介護度は4.58、介護医療院(1~3月)70床の月別では62.7~65.2名で推移して平均は63.6名、平均介護度は4.60だった。令和元年度において介護医療院開設の前後で平均入院患者数を比較すると、開設後に3.1名減少(2.7%減)した。
医療療養病床の月別の医療区分2・3の占める割合は、減床前の109床(4~12月)では71.9%~86.2%で推移して平均は81.0%、減床後の57床(1~3月)では84.2%~94.8%で推移して平均は91.2%だった。単月で80%を下回ったのは、平均入院患者数が120名を超えた8月9月と、介護医療院開設ための病棟調整を行った11月12月だったが、直近3カ月平均が80%を下回った月は12月のみとなり、さらに医療療養病床の減床によって1月の直近3カ月平均を仕切り直しできたため、医療区分2・3の占める割合の低下による減算は回避できた。令和元年度において医療療養病床の減床(109床を57床へ)前後で比較すると、減床後の医療区分2・3の占める割合の平均は、減床前の平均より10.2%上昇した。
退院患者数は247名(対前年度比4.6%減)だった。内訳は、死亡退院81名(32.8%)、自宅退院73名(29.6%)、その他の医療機関・介護施設等への転院93名(37.7%)となり、転院の割合がやや高かった。前年度との比較では自宅退院の割合が2.6%上昇し、要因としてはリハビリテーション目的の短期入院の増加が考えられた。
介護医療院開設について
令和2年1月1日より介護医療院を開設し、医療療養病床と介護医療院を院内に併設した新体制となった。介護医療院の1人当たりの病床面積を施設基準に準じて広げる必要があったため、医療療養病床52床(1階病棟)と介護療養病床52床(2階病棟)から介護医療院70床(1・2階病棟各35床)への転換となり、その結果34床の減床(21%減)となったが、既に病床利用率が68~76%程で経過していたため、減床による退院等の患者負担は生じなかった。令和元年後半より患者家族と地域の医療機関に対して介護医療院の説明会を複数回開催し、令和元年11月~12月に介護医療院の改装工事と並行して最終的な病棟調整を行い、令和元年12月31日までは医療療養病床109床(1階病棟52床・3階病棟57床)と介護療養病床52床(2階病棟)の体制をとり、令和2年1月1日に医療療養病床57床(3階病棟)と介護医療院70床(1・2階病棟各35床)へ転換し、医療療養病床の入院数46名と介護医療院の入院数62名で新体制を開始した。
医療区分2・3の紹介数が年々減少してきていることから、医療区分2・3の割合を80%以上に保ちながら109床の医療療養病床を維持するのは困難であると判断し、医療療養病床の約半分を介護医療院へ転換する選択に至ったが、令和元年度も医療区分2・3の紹介数はますます減少して医療区分1の紹介数が増える傾向となり、選択は妥当であったと考えられた。また転換により、要介護度の高い医療区分1の患者を受け入れる枠が増え、医療療養病床も医療区分2・3の割合を80%以上に保ちやすくなったことから、地域の需要と当院の状況にそぐう体制になれたと考える。今後は、新体制を生かした貢献を地域医療へ果たしていくことが課題となる。