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診療実績
令和2年度診療実績
診療について
令和2年1月1日に介護医療院が開設となり、医療療養病床(57床)と介護医療院(70床)を院内併設した新体制となって3ヵ月後に令和二年度が始まり、新型コロナウイルス感染症に振り回された年度となった。
新型コロナウイルス感染症は4月に第1波が到来し、全国に緊急事態宣言が発令された。
8月には第2波が到来し、その後は収束しきれないまま11月から第3波となり、1月には再び大都市圏に緊急事態宣言が発令となるも収束しきれずに経過した。
そのため、3月に開始した面会禁止を解除できないまま、8月末から開始したオンライン面会を継続して凌ぐこととなった。
患者動向について
令和2年度の入院患者総数(再入院を含む)は200名(対前年比17.4%減)で、医療療養病床(3階病棟)に128名(64%)、介護医療院(1・2階病棟)に72名(36%)が入院し、月別では12~21名で推移して平均は16.7名だった。
紹介元は、急性期病院から114名(57%)、急性期病院以外から86名(43%)だった。
疾患別(主病名1)の内訳は、脳血管疾患(脳梗塞後遺症、他)42名、廃用症候群・運動器不安定症38名、整形外科疾患(圧迫骨折・脊損、他)29名、神経筋疾患19名(ALS、他)、悪性腫瘍15名(肺癌、他)、認知症11名、呼吸器疾患9名(肺炎、COPD、他)、心血管疾患(慢性心不全、他)8名、低栄養・摂食嚥下障害6名、消化器疾患4名、内分泌疾患4名(糖尿病4名)、皮膚疾患3名、泌尿器科疾患2名、膠原病1名と、例年通り多岐にわたった。
3階病棟では、人工呼吸器管理の患者(ALS・COPD、他)の一定数を受け入れた。長期入院の患者とレスパイト入院があり、人工呼吸器管理委員会を毎月開催して管理の状況を監視した。
月別平均入院患者数月別は111.6名~121.3名で推移し120名を上回った月は3月のみで、平均は117.3名(前年度1~3月より4.4%増)だった。
病床別にみると、医療療養病床(57床)では、月別平均入院患者数は44.1名~53.1名で推移し、平均は50.4名(前年度1~3月より3.3%増)だった。
医療療養病床の病床利用率は90%以上を目標とし、達成できた月は7・8月と12月~4月の7カ月(実用可能病床の56床で算出)と年末から回復するも年間で88.4%となり、目標を達成できなかった。
また、医療区分2・3の占める割合は85.2%~91.7%で推移して平均は88.6%となり、80%以上の維持に旧体制の様に難渋することはなかった。
介護療養病床(70床)では、月別平均入院患者数は63.7名~68.3名で推移し、平均は66.9名(前年度1~3月より5.2%増)だった。介護医療院の病床利用率は95%以上を目標とし、達成できた月が5月と9月~3月の8カ月と下半期から回復して年間で95.6%となり、目標を達成できた。また、平均介護度は4.63となり前年度と同等だった。
退院患者数は185名(対前年度比25%減)だった。内訳は、死亡退院71名(38.4%)、自宅退院63名(34%)、その他の医療機関・介護施設等への転院51名(27.6%)となり、その他の医療機関・介護施設等への転院の割合が低かった。
前年度との比較では、その他の医療機関・介護施設等への転院の割合が10%低下し、介護医療院から介護施設への転所の減少が要因として考えられた。
看護介護人員の減少や入院調整など、新体制の運営を安定させるために試行錯誤を繰り返した年度だった。看護介護人員の確保、病床利用率保持と地域医療への貢献の両立を図ること、この二つが今後の大きな課題となる。