病院案内
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診療実績
令和3年度診療実績
診療について
医療療養病床(57床)と介護医療院(70床)の体制で経過し、紹介患者の医療介護の状況に応じて介護医療院入所と医療療養病床入院の調整を行った。
令和3年度の入院患者総数(再入院を含む)は162名(対前年比19%減)で、医療療養病床(3階病棟)に97名(60%)、介護医療院(1・2階病棟)に65名(40%)が入院し、月別では5~19名で推移して平均13.5名だった。
紹介元は、急性期病院109名(67%)、急性期病院以外53名(33%)だった。
疾患別(主病名1)の内訳は、廃用症候群・運動器不安定症40名、脳血管疾患(脳梗塞後遺症、他)30名、整形外科疾患(圧迫骨折・大腿骨骨折、他)24名、神経筋疾患13名(ALS、他)、悪性腫瘍9名(横行結腸癌、他)、認知症9名、呼吸器疾患8名(誤嚥性肺炎、他)、心血管疾患(慢性心不全、他)8名、精神疾患3名、消化器疾患3名、摂食障害2名、肝臓疾患2名、血液疾患2名、皮膚疾患2名、泌尿器疾患2名、腎臓疾患1名と、例年通り多岐にわたった。
医療療養病床では人工呼吸器管理の患者の長期入院とレスパイト入院を一定数受け入れ、人工呼吸器管理委員会にて人工呼吸器の管理状況を監視した。
月別の平均入院患者数は115.2名~122.7名で推移して120名を上回ったのは2ヵ月(2月・3月)で、平均118.9名(前年度より1.4%増)だった。
病床別にみると、医療療養病床(57床)では月別平均入院患者数は49.9名~54.3名で推移し、平均52.1名(前年度より3.4%増)だった。
医療療養病床の平均病床利用率(実用可能病床の56床で算出)は90%以上を目標とし、目標達成した月は7カ月(4月・6月・7月・12~3月)で残り5カ月が87.6~89.0%だったが、平均91.5%(前年度より3.1ポイント増)となり、前年度は達成しなかった目標を達成した。
なお、医療区分2・3の患者割合は、7月に81.4%と低下するも医療区分1の退院等により80%を切ることは無く81.4~92.6%で推移し、平均88.4%(前年度より0.2ポイント減)だった。
介護療養病床(70床)では、月別平均入院患者数は63.5名~68.8名で推移し、平均66.7名(前年度より0.3%減)だった。
介護医療院の平均病床利用率は95%以上を目標とし、目標達成したのは8カ月(4月・6~10月・2月・3月)で残り4ヶ月は90.4~94%だったが、平均95.7%(前年度より0.1ポイント増)となり、前年度に続き目標を達成した。平均介護度は4.54となり前年度と同等だった。
退院患者数は176名(対前年度比5%減)だった。
内訳は、死亡退院74名(42%)、転院・転所58名(33%) 、自宅退院44名(25%)だった。
なお転院先は、出水郡医師会広域医療センター18名、出水総合医療センター13名、国保水俣市立総合医療センター2名、診療所2名、介護医療院から医療療養病床4名で、84%が医療センター3院への転院だった。
転所先は、医療療養病床から介護医療院13名、特別養護老人ホーム4名、介護老人保健施設1名、有料老人ホーム1名で、68%が医療療養病床から介護医療院への転所だった。
病院運営について
健全な経営と地域医療への貢献の両立を目指して令和2年1月に「介護療養病床の閉鎖」及び「医療療養病床の減床」並びに「介護医療院の開設」となり、以降は医療区分2・3の患者割合を維持しやすくなり、医療区分2・3の患者割合低下により入院基本料が減額する懸念は小さくなった。
新体制から1年を経過して令和3年度となった。
介護医療院では、昨年度に引き続き病床利用率の目標を達成できた。
医療療養病床では、看護介護人員の不足により入院患者数を抑制して8~11月の病床利用率が低下したが、求人により人員不足が解消した12月からは入院患者数を戻し、昨年度は達成できなかった病床利用率の目標を達成できた。
新型コロナウイルス感染症について
令和2年4月に第1波が到来した新型コロナウイルス感染症は、令和3年7月には第5波が到来し、鹿児島では8月に緊急事態宣言が発令された。9月の宣言解除後は沈静化するも令和4年1月に第6波が到来し、その後は収束しきれずに経過した。
そのため、令和2年3月から継続していた原則面会禁止は解除に至らず、令和2年8月に開始したオンライン面会を継続して対処した。
また、前年度から引き続き院内感染対策を講じて院内感染の防止に努め、職員やその家族に数人の感染者の発生はあったが院内感染は発生無く経過した。
なお、当院で開催された勉強会等は、前年度から引き続き大半がオンライン開催となり、診療連携勉強会のみ例外的に通常の開催となった。
出水市では令和3年3月より新型コロナウイルスワクチンの接種が始まり、職員及び入院患者並びに市民の予約者に対して3回の接種を実施した。
ワクチン接種後も第4波、第5波、第6波と感染拡大があり、さらに拡大毎に感染者数が増加して院内感染が生じやすい状況となった。院内感染が発生した場合、出勤停止による人員不足や地域医療への影響等、当院の現状では大変厳しい運営状況になると考えられる。
院内感染の防止が当面の大きな課題である。